闘病ブログ

未来への手紙

入院生活1日目

熱が出た。
38℃を超えているらしい。
私の平熱は35℃台。
風呂なら3℃違えば火傷してしまう。


その朝に私は両親と会社に連絡した。

母は昼には必要な物を持って駆けつけてくれるそうだ。いつもは邪険にしていた、親の愛情が弱っている心によく染みる。
担当している仕事もあり、会社に入院の事実を伝えるのは申し訳ない気持ちになった。
しかも自分自身でも今後の見通しを説明できない。

私は何人かに連絡を取ったあと、いつの間にか眠りに落ちていた。

夢は見ただろうか?
覚えていない。

ほほに温かい感覚を感じる。ぼやけた視界に母の手が映った。

「大変だったね」


私の母は50歳を少し過ぎたぐらいだ。いまは都内で父と2人で暮らしている。

しばらく母と話わ交わし、私は高熱のせいかまた眠ってしまった。

途中で担当の医師がやってきた。

母親と私に説明を始める。

「おそらく痛みの原因は胆石でしょう。ただ検査をして分かったのですが、生まれつき胆管が広がっています。これは手術を必要とする症状です。詳しくは明日また説明をしますので、ご家族揃ってお話しましょう。」

私とおそらく母も突然の診断に戸惑っていた。

母はいくつか医師に質問をしていたが、的外れなことを、という印象で答えている感じがした。

私はベッドに引きこまれる様に力なく、一定のリズムで落ちる点滴を眺めていた。