闘病ブログ

未来への手紙

119

その日も私は会社に向かった。
体重はすでに3キロ落ちている。

異常だ。
胃炎と風邪をこじらせると、こうまでなるものだろうか?
しかしなぜ薬が効かないんだ。

自問しながらも仕事をこなしていった。
本当は早退したかったのだが抜けられない会議があったのだ。

仕事を終わらせてすぐに、病院に向かった。先週行った所にもう一度。

6時半。
ギリギリ駆け込んだ。

そして診察はすぐに始まった。前回とは違う医師だ。

「容体はどうですか?」

「薬を飲んでもまだ痛みます。食後2、3時間たつと、必ず。」

「そうですか…。それはおかしいですね、強い薬ですし。どの辺りが痛みますか?」

「お腹というより、右あばらの下、この辺りですね。響くように痛みます。」

私はこの時に初めて、自分の痛みを言葉にして伝えられた。
前回上手く伝えられなかった事を、非常に悔やんでいたのだ。

「このみぞおちの辺りですか?うん…、ちょっとエコーをとってみましょう」

医師は私の腹まわりに何かを塗って器具を当てた。
後で分かるのだがエコーというのは超音波で、内臓の様子が分かる器具らしい。

医師は出来あがったレントゲンの様な写真を見ながら、こう言った。

「胆石の疑いがあります。」

胆石?

石?尿管結石みたいなもんかな。痛そうで嫌だな!

胆?どこにあって何をする内臓だっけ?あぁ生物の勉強を真面目に受ければ良かった!

「どちらにしろ、紹介状を書きますね。こちらの病院を伺ってください。処方せんも出しますね。」

私は紹介状と薬を受け取り家に帰った。
明日の朝にその病院に行こう。会社にも朝は休むと伝えてある。もう心配ない。

私は油断した。
一番の失敗はこの夜かもしれない。


ゼリーの生活に我慢しきれず、私は卵がゆを食べてしまった。



痛みは二時間後。
10時から始まった。もらった胆石の薬も、痛み止めの薬も効かなかった。


激痛が走る。

胃液が出るまで吐く。

しかし痛みは止まらない。

苦しみながら、どうにか痛みを和らげる方法をネットで検索する。

風呂に入って血液の流れを良くしようとし、湿布を張り暖め、蜂蜜をとり引っかかっているだろう胆石を流そうとする。

しかし。

痛みは止まらない。
痛い。辛い。苦しい。助けて。痛い。嫌だ。ごめんなさい。痛い。死ぬのかな。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。痛い。

12/4の25:00。
痛み出して3時間。
私は生まれて初めて救急車を呼んだ。