闘病ブログ

未来への手紙

入院前日まで

腹痛があった次の日もいつも通り出社した。

仕事は忙しく、体調も問題ない様だ。
昼に食べたトンカツも少し胃がもたれる程度だ。

問題ない。
昨夜の事は食べ物が悪かったんだ。
まぁ風邪かもしれないな。
笑い話がひとつできて良かったよ。

そう考え、普通の生活に戻った。


土曜日に近くの内科の病院を訪れ、診察を受けに行った。

「どうしました?」
「こないだ、夕食後に腹の上あたりが突然痛くなったんです。」

触診と話を聞き、医師はこう判断した。

「胃炎かもしれませんね、お薬出しておきますので様子をみましょう」


そうか…、胃炎か。
食生活の偏り、過労、仕事のストレス、睡眠不足。

なんだ全部当てはまるじゃないか!

胃炎か、うん、風邪と併発して痛みがひどいのかもな。

薬もあるし、安静にしておけば治るだろ!

痛みの原因に納得した私は、土日の休日には卵がゆを食べ、安静に過ごした。


月曜日になり、いつも通り会社が始まる。

しかしその日はいつも通りではなかった。

昼食後、あの痛みが襲ってきたのだ。

とてもではないが、絶えられない。


同僚に一言声をかけ、トイレに駆け込んだ。

ネクタイをとり、ワイシャツの首元のボタンを開ける。
そしてまた手をのど奥に思い切り突っ込んだ。


…どうして?
薬も飲んでるはずなのに。なぜ痛むの?

やるせない思いとともに、一時間ばかりトイレからは出られなかった。


席に戻ると同僚が心配そうに声をかける。

私は笑顔で答える余裕もなく、ただうなづいた。


この日から私の食事は、飲むタイプのゼリーだけになった。